コスト面だけでなく、IT管理者/制作/マーケティング/セールス部門など、Web サイトに関わるステークホルダーの課題を横断的に解決する実践的な取り組みをインタビュー。
企業情報
株式会社ハコスコ
「現実を科学し、ゆたかにする」実験カンパニーのハコスコ様は、脳科学的アプローチで体験をデジタル化するVR事業とブレインテック事業を展開しています。脳科学者で CEO の藤井様が10年前に脳科学実験の過程で体験のデジタル化のために、開発された実験装置が「ハコスコ」の基点となっています。
本社所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷
代表取締役:藤井直敬
設立:理化学研究所の理研ベンチャー制度により、2014年7⽉創業
資本金:182百万円(資本準備金含む)
https://hacosco.com/company/
インタビューにご協力いただいたご担当者様
サービス管理部・マネージャー様
提供サービス全般の管理・改善業務ご担当。コーポレートサイトの改善の一環として、Shifter の導入をご検討いただきました。
Shifter をご利用いただいているサイト
コーポレートサイト:https://hacosco.com/
Shifter 導入の背景と成果
Shifter でインフラの管理コストを最大90%減にまで削減。ホームページの運営にかかるパフォーマンス・セキュリティ・安定性・コスト・人員の課題を一気に解決。
デジタルキューブ(以降DC):Shifter 導入の背景やきっかけについて教えてください。
ハコスコ様:きっかけは弊社エンジニアからの紹介で知りました。それまでホームページ関連では以下の課題を抱えていました。
- WordPress およびプラグインのバージョンアップでしばしばサイトが落ちる
- 定期的にブルートフォースアタックをうける
- サイトスピードが遅い
- AWS で運用をしているが、開発サーバー・本番サーバーの運用コストが高い
Shifter を導入することで上記の課題をまとめて解決できると思ったのと、コストの観点からも使いやすい価格帯だったため、今回導入することを決定しました。
DC:Shifter を使う前は、関連業務はどのように行っていましたか。
ハコスコ様:WordPress のバージョンアップについては、Shifter 利用前は担当者が比較的余裕がある時期にまとめてアップデートをおこなっていました。記事の更新に関しては、各製品ごとに担当者がおり、固定ページ、記事更新を各自で行うスタイルです。
DC:Shifter を導入して改善された業務はどのような業務ですか。
ハコスコ様:まずは、WordPress のバージョンアップの作業を自動で行ってくれることです。また、サイトスピードについても静的サイトになったことで劇的に改善しました。(改善の予知はまだまだありますが)
サイバー攻撃については、Shifter 導入後アラートが発生しておらず、今のところ安心して運用できています。
コストの面では、開発サーバー、本番サーバーを止めて Shifter 上で編集、担当者のチェック、パブリッシュまで一貫して運用できるようにしたため、インフラの管理コストは10分の1程度になりました。
Shifter を活用するための実践的な工夫
業務改善のベストプラクティスのポイントは、委託先の制作会社とのスムーズな連携/SaaS を活用したマーケティングやセールスの生産性向上。
DC:Shifter の導入に際して特に工夫した点があれば教えてください。
ハコスコ様:当社で行った対応は以下の3点です。
1 制作上の工夫
テーマ更新に関しては外注しており、事前に Git の運用が可能かを確認した上で、GitHub からテーマをインポートする方式としました。
Shifter は、GitHub からテーマをインポートするプラグインを提供していて、テーマが GitHub 上で更新されると、Shifter で WordPress を起動したときに更新が通知され、テーマを簡単に更新することができます。サポートドキュメントを参考に、外注先は GitHub に更新を Push すれば、運用側ではテーマが更新できる仕組みを構築できました。
2 マーケティングやセールス関連の工夫
サイトに関しては、マーケティング戦略の観点から、問い合わせのフォームは HubSpot に移行を進めており、チャットサポートについては Intercom へシフトしていました。
これらの点は Shifter と相性が良く、問い合わせフォーム、チャットサポートは、スムーズに Shifter へ移行できました。
なお、サイトに関して、弊社サービスに関する情報発信の他に、取り扱い商品の販売、と決済 (Amazon、Stripe) を WordPress プラグインで行っていました。
また、一部商品の見積もりを行うために Web アプリケーションを WordPress のテーマの一部としてサイトに埋め込んでいたのですが、これらの運用も見直しました。
Stripe のプラグインを止めて、StripeCheckout を導入し、Javascript ベースの決済フローに変更しています。
見積もりのアプリに関しては、別のアプリとして切り出して、WordPress 上でのミスが見積もりなどの動作に影響しないような形としました。
このようにしたことで、編集者が触るのはほぼ素 の WordPress になり、安心して編集作業を行えるようになったと思います。
3 サイト運営の工夫
運用面では Shifter の操作部分で手順が若干増えるので、社内関係者向けにレクチャー会を行うなど、更新作業を行うメンバーへのフォローを行いました。
操作手順自体はカンタンなので、特段抵抗なく受け入れてもらえたかなと思います。
ハコスコ様からのメッセージ
「現実を科学し、ゆたかにする」をミッションに掲げるハコスコ社では、「リモートリアリティ」を2021年のテーマとし、空間の制限に縛られない新しい体験共有のあり方を実験していきます。今後も脳科学を応用し、ゆたかな社会の実現に貢献してまいります。
取材後記(デジタルキューブ 赤塚 誠二)
今回のインタビューでは、ハコスコ様が Shifter の導入をきっかけとして、Web サイトの運営に関わるあらゆるチームの業務を改善されている点が非常に参考になります。
Shifter の導入効果として一般的にセキュリティ/コスト/パフォーマンスが挙げられますが、実はチームの全体最適化によるビジネスの成功への貢献こそが本当の価値と考えています。
Web サイトの運営には以下のように多くのステークホルダーが関わっています。これからご利用いただく方だけでなく、ぜひ既に Shifter をご利用いただいている方もハコスコ様の取り組みをご参考にしていただけると幸いです。
Webサイトの運営に関わるステークホルダー
- 制作会社
- コンテンツ担当
- マーケティング担当
- セールス担当
- IT管理者
- マネージメント